名称の発音に関してググってはっきり出てこないものは末尾に?をつけてあります。 音をそのまま表記していないものに関しては先頭に●をつけました。人間系の敵につ いては悪魔辞典に載らないので入れていません。 ユニークには★を。 Abbey Lubber(アビィーラバー?) ヨーロッパの悪魔だ。教会のキッチンや食糧庫に現れ、聖職者を飽食の罪に誘 う。怠け心から教会の慈善を受けようとする人間への蔑称でもある。 Buruburu(ぶるぶる) この幽霊の名は、人が震え上がる時の擬音から来ている。凄まじい恐怖の中で 死んだ人間がこの亡霊となる。生者の衣服に縋り付いて、自らが死の間際に味わ った恐怖を与えようとする。 ●Echeneis(レモラ) ギリシャに伝わる魚の一種。大群で船舶に取りついて速度を鈍らせ、完全に運 行を止めてしまうこともある。有名なローマの将軍がこの大群に船の動きを封じ られたせいで負けた、とも。 Faerie(フェアリー) ヨーロッパ全土に見られるヒューマノイドだ。外見および人間に対する反応は 多種多様である。強力な魔法で人間を助ける者もいれば、その力を用いていたず らや危害を加える者もいる。 Familiar(ファミリア) 外なる霊の中で、あまり力を持たない存在を封じた動物だ。ファミリアを生み 出す儀式には様々なものがある。魔術を極めんとする人間が、召使いであり相談 役、そして良き友人を兼ねる相手として創造する。こうした人間はレリックに頼 らず、長く険しい道を行く者たちだ。だが、新たなレリックにもファミリアが仕 えているのが判っている。長く険しい道を自ら歩き始めたサモナーの相手をする 者として。 Freybug(フレイバグ) イギリスの悪魔だ。黒犬の姿をとり、酔っ払いや旅人をしつこく追い回す。ど ういうわけか、このタワー内ではパグの姿で出現する。 Gandayah(ガンダヤー?) ネイティブアメリカンの間に伝わる小人だ。人間には友好的で、農作業を手伝 ってくれる。小さな動物や昆虫に化けて人間にメッセージを伝えることもある。 この時の姿はメッセージの内容に関係したものをとる。 Goblin(ゴブリン) ヨーロッパ全土に見られるヒューマノイドである。掟を破ったフェアリーが美 貌、羽、魔力を・奪されるとゴブリンになる、と考える人もいる。この説が正し いのなら、ゴブリンの邪悪な気質も頷けるというものだ。 Homunculus(ホムンクルス) 人造のデーモンだ。これを作り出す儀式はいろいろあるが、神経の細い者には とても勧められないものが大半を占める。作成には不快な思いをしなくてはなら ないが、人間はよくホムンクルスを作っては助手や使い魔などお誂え向きの仕事 をさせている。このタワー内にホムンクルスが召喚されることはない。しかし新 参サモナーのレリックは必ずホムンクルスが呼び出せるようになっている。本物 のデーモンに初遭遇したサモナーへ、生き延びるチャンスくらいは与えてやろう という意図に相違あるまい。 ●Huo shu(火鼠) 中国のネズミだ。炎を棲み処としており、火傷とは無縁である。とある姫君が この皮衣を所望したことがある。彼女は手に入れたそれを火の中に投げ込み、灰 となったのを見て偽物と看破した。 Malingee(マリンジー?) アボリジニの間に伝わる夜の精だ。人間と接触するのを嫌がる。マリンジーの 瞳は輝いており、膝は石。その上内股なので大きな音を立てる。こうした特徴で 人間を威嚇するようになっているのだ。それでも近づこうものなら手にした石の ナイフを容赦なく突き立ててくるだろう。 ●Raicho(雷鳥) ミヤマガラスに似た日本の鳥だ。雷雲を纏っている。けたたましい鳴き声を発 するが、これは嵐の前触れとされる。 Red cap(レッドキャップ) ヨーロッパのモンスター。残忍な性格で、鋭い鉤爪を有し、凄まじいスピード で動き回る。その名前は本人たちが被っている帽子に由来する。犠牲者たちの血 で真っ赤に染めあがっているのだ。レッドキャップは頻繁に殺戮を繰り返さねば ならないが、これは帽子が乾いてしまうと死んでしまうからである。 Slime(スライム) このタワーを発祥地とするデーモンだ。そのような例は非常に稀で、タワー外 で確認されたという話は聞かない。歴史から消えてしまった太古の存在なのだろ うか? 何かのミスでタワー内に発生したのだろうか? 誰に聞いてもはかばか しい答えは返ってこない。 Tulpa(タルパ) 人間がその存在を信じることによって実体を得るデーモンだ。どれだけ広く、 また深く信じられているかでその強さは変わってくる。ほとんど無力なこともあ れば、まさに神の如き力を持つことも。このタワー内にいるタルパはおしなべて 弱い部類のものだ。自らのレリックには仲魔が全くいないようだと初めに気づい た、駆け出しサモナーの焦りによって実体化したものである。 Will o' wisp(ウィル・オ・ウィスプ) 亡霊の一種だ。様々な文化の伝承に登場する。旅人をおびき寄せ、あの手この 手で死に誘う。人の死後、どの「霊祖」も引き取らない魂がウィル・オ・ウィス プになるという。 Zombie(ゾンビ) 人間の死体である。呪いや化学物質の類によって蘇った。永遠の餓えに苛まれ ている哀れな存在だ。噛まれた相手もゾンビになるという噂は根強いが、でたら めである・・・噛まれずに済むならそれに越したことは無いが。 Jiang shi(キョンシー) 中国のヴァンパイアだ。歩かずに、跳ねるようにして移動する。これは両足が 動かなくなっているためである。キョンシーが生まれる原因は様々であるが、主 に恨みを残して死んだ者や、きちんと埋葬されなかった者がキョンシーになると されている。左道邪術によって作り出されることもある。 Preta(プレタ) 亡霊の一種。その記録はあちらこちらに見られる。呪われているため強烈な飢 餓を覚えており、血や排泄物といった汚物を貪るが、決して満腹にならない。こ の性質は外見にも現れている。通常、プレタの腹は大きく膨らんでいるが、首は 驚くほど細長い。強欲が過ぎると死後、プレタになる恐れがあるという。 Ukobach(ウコバク) 小柄な下級悪魔だ。「地獄の辞典」、「レメゲトン」をはじめ、魔導書にその 名前が見られる。地獄で火の番を任せされており、人間に花火と揚げ物の知識を 伝授した。 Zar(ザー) エチオピアの物語に登場するデーモンだ。巨大な猫の姿をしており、サイズや 骨格はヒョウと同程度である。人間(特に女性)に憑依するとされ、依り代は唸 り声を上げて四転八倒するという。ただ、人間から他の霊を追い出す力も有して いるため、ザーを呼び出して深刻な症状を引き起こすデーモンを追い出すことも ある。 ★●Headless(首なしゾンビ) ウエストが死体蘇生術を用いて作った首なしのゾンビ。普通のゾンビと異なり 知性はほぼ生前のままだ。ラヴクラフトによると、ウエストは最終的にこのゾン ビの手にかかるとされている。現状を(ゾンビにしては)的確に認識し、自らの 惨状とその経緯を理解しているのなら、そういう行為に及ぶのも頷ける。 ★Actaeon(アクタイオン) ギリシャの名高き狩人だ。偉大なるケンタウロス・ケイロンが育てた若き英雄 の一人である。並々ならぬ腕前の持ち主、という点を除けばつい最近まで普通の 人間であった。しかし大いなる悲劇がその身に降りかかり、鹿に変えられてしま う・・・ Arachne(アラクネ) 彼女たちは「アラクネ」の子孫だ。「アラクネ」は元は人間の女だったのだが 女神アテナは三つの罪を理由に彼女へ呪いをかけた。第一の罪は機織りの腕でア テナに挑戦したこと。第二の罪はその織物の題材に神々の過ちを選んだこと。第 三の罪はそれでアテナに勝利したこと。どんな呪いをかけられたかって? 「ア ラクネ」とその子孫は皆、蜘蛛の姿になるように。 ★Artemis(アルテミス) 多大な崇拝を受けるギリシャの女神だ。狩猟、自然、処女性を司る。弓術の達 人であり、動物と会話して馴らす力を持つ。処女であるため、人間・神を問わず 彼女に求愛する男は多く、時として強引に迫られることもあった。アルテミスの 愛を得ようとするものは覚悟するがいい。彼女がもたらした死と禍は枚挙に暇が ない。 Chindi(シンディ?) ネイティブアメリカンの間に伝わる悪霊だ。死者の住居・所持品に憑りつくと される。病や死をもたらすため、ネイティブアメリカン達は故人の家と財産を放 棄する。 ●Easg saint(聖魚?)(出展が判らぬ・・・) 聖なる土地の泉に棲む特別な魚。大抵の場合はつがいになっており、様々な通 力を有する。危害を加えんとする者には必ずや天罰が下るだろう。 Flying Head(フライングヘッド) ネイティブアメリカンのイロコイ族に伝わる精霊。正にその名が示す通り、飛 行する生首である。どうして彼らが生まれるのか。様々な逸話があるのだが「殺 人の被害者の首がフライングヘッドになる」としているものが多い。際限なく腹 を空かせており、共食いもする。フライングヘッドを上手く騙して退けた女の話 が残っている。真っ赤な石炭を食べさせたそうな。 Ilomba(イロムバ?) 魂を食らうアフリカの吸血蛇。呪術師が人間の血と爪、ある種の木の根、蛇皮 を併せて作り出す。イロムバは生まれると材料元になった人間を追跡し、襲い掛 かる。元になった人物とは命が繋がっており、どちらかが命を落とすと、もう片 方も死んでしまう。 ●Kasha(火車) 日本の精霊で、炎を纏った猫の姿をしている。死体を盗み取り、生前の行いに 見合った死後の世界へ連れ去る。 Satyr(サテュロス) セントールと同じくギリシャを起源とする半人半馬である。セントールとは異 なり下半身がそのまま馬のそれになっているわけではない。人間のように脚は二 本だが、それが馬の脚になっているのである。享楽的で、歌と踊りと酒に目が無 い。時代が下ると、山羊型のセントール(角も生えている)が登場する物語も出 てくるが、このタワー内に出現するのは専ら馬型だ。 Asrai(アスライ?) 英国起源の水の精霊だ。アスライに触れられると、その個所は氷に変わってし まう。彼女らの見目麗しさに惹かれて捕らえようとする人間が後を絶たない。陽 の光を浴びると水になってしまうという。 Corpo-seco(コーポ・セコ?) 動く人間の死体だ。死後、いかなる形を取ることも許されなかった極悪人であ る。そのため、呪われた不死を受けることになった。その実、大地すらこの不浄 を拒絶する。埋葬しても地中から押し戻されてしまうのである。どんな罪を犯し てかかる末路に至ったのかは人それぞれだが、大概は自身の母親を虐め殺した者 達だ。 Dryad(ドライアド) ニンフの仲間。ギリシャ神話に登場する大地の精。特に樫の木に宿る森のニン フをドライアドと呼ぶ。概して内向的かつ排他的な気質の持ち主だ。他のニンフ と同様、恒久の時を生きながら容貌は衰えない。 Estas(エスタス?) 現在、ブリティッシュコロンビア州として知られる地域のネイティブアメリカ ン、キャリアー族に伝わる鳥だ。とてつもない厳冬の中、人々が待ち望んだ火を 与えて人類を救ったと言われている。 ★Friar Rush(フライアー・ラッシュ?) 悪名高きアビィーラバーだ。まずドイツの修道院に現れたが、イギリスの城に 手を伸ばし、退治される。奸智に長けており、ドイツでは何年も尻尾を掴ませな かった。修道院長がやっとのことで祓ったのである。後にこの修道院長はロンド ンに呼ばれ、またもこいつと対決することになる。その時には塚の中に封印した。 Haietlik(ハイエトリック?) ネイティブアメリカンの間に伝わる、雷を宿す海蛇だ。鯨を狩る蛇であり、尖 った頭で獲物を貫いたり、雷を吐いて仕留めたという。その皮はお守りとされ、 漁師はこれを靴に入れて海に出ることがあったそうだ。 Ogre(オーガ) 巨体のヒューマノイド。人間世界で広くその名を知られる。怪力の持ち主であ り、人間を捕らえては貪り食う。一方、お世辞にも賢いとは言い難い。機転を利 かせれば隠れたり、撒いたりできることも多い。 ★Vikhor(ヴィーフリ?) ロシアの伝承に登場し、風を自在に操る。ヴィーフリについては話によって食 い違うところが多い。ある言い伝えでは勇者に討たれるデーモンであり、また別 の言い伝えでは、その力で魔王を殺した魔法使いであったという。唯一共通する のはその弱点についての話だ。竜巻の中心にナイフを投げれば彼の心臓に突き刺 さると。 Blob(ブロブ) 現存する記録に一切確認できない存在。にもかかわらず、このタワー内には出 現する。その姿は何かを思わせるような・・・見た目の話はさておき本能の赴く まま出会う相手を片っ端から喰らおうとする。 ★Ccoa(クコア?) ペルーのケチュア族に伝わる恐るべき精霊。縞模様をした灰色の猫の姿をして おり、両目は光っている。耳と目から雹を放ち、さらに稲妻を操って農作物を荒 らし、人の命を脅かす。 Fotia(フォティア?) 命と意志を宿した火の化身だ。遥か昔、様々な国の哲学者が万物の根源と見な していたものである。最近の研究によると、古代人は四大元素が物質を構成して いたと実際に信じていたわけではないらしい。物質の四態、すなわちプラズマ、 液体、気体、個体を四大の推移という形で理解していたという。 Gremlin(グレムリン) 小柄なヒューマノイド。昔の飛行機乗りは整備や作戦中におけるマシントラブ ルのあれこれをグレムリンのせいにした。機械弄りが得意な奴らがレリックを手 に入れたら一体何をしでかすのやら・・・想像するとちょっと不安になる。 Nero(ネロ?) 命と意志を宿した水の化身だ。遥か昔、様々な国の哲学者が万物の根源と見な していたものである。四大元素は古代において科学・哲学のみならず宗教上でも 一般的な概念であった。四大そのものが信仰の対象となっていたのである。 Aspis(アスピス) 翼を持たない西洋のドラゴンだ。猛毒を有するとされ、死後数日が経過した後 の死体でも、触れれば死に至る恐れがあるという。アスピスは音楽を聴けばすぐ さま夢見心地になってしまう。自身でもこの弱点を自覚しており、片耳を地面に 押し付け、もう片方には尻尾を突っ込んで聞くまいとする。確かにこれならきち んと耳を塞げているが・・・ロクに身動きが取れない。 Carbuncle(カーバンクル) 南アメリカの小型獣。額に宝石のようなものが嵌っている。この宝石を奪おう とする人間は後を絶たないが、カーバンクルの身のこなしは素早く、額の宝石か ら光を放って狩人達の目を眩ます。 Lilim(リリム) 神学書の数々に言及されるデーモンだ。太古の強大な女悪魔・リリスの娘たち であるという。リリムは就寝中の男性を狙って夢の中に入り込む。また、子供を 攫うともされる。 Scapegoat(スケーブゴート) 元はただの山羊であったが、近隣に住む人々の罪と罰を背負うべく選ばれた。 罪業を被せた後、野生へ返すことで人々の罪を落とすのである。 Stymphalides (スチュパリデス) ギリシャ神話に登場するおぞましき肉食の鳥だ。金属の羽が生えており、体か ら毒を分泌する。これは土地を枯らし、人には有害である。とある勇者は騒音を 立ててスチュパリデスの群を追い立て、散り散りになったところをスリングで撃 ち落としたという。 Aeras(エアラス?) 命と意志を宿した風の化身だ。遥か昔、様々な国の哲学者が万物の根源と見な していたものである。室内の装飾から剣術に至るまで、古代における四大元素が 学問の形成に及ぼした影響は大きい。 Gi(ギー?) 命と意志を宿した地の化身だ。遥か昔、様々な国の哲学者が万物の根源と見な していたものである。人は昔から四大元素と特定の感情・気質を結び付けてきた。 例えば火は情熱と暴力、地は安定と忍耐といったように。 Ruhin(ルーヒン?) ユダヤの予言霊だ。自身の姿というものを持たない。呼び出されると生者の体 に入り、その口を借りて話す。 Aithir(エイサー?) 命と意志を宿した未知の第五元素、その化身だ。元素の哲学・理論において随 所に言及されている。ギリシャではエーテルと呼ばれ、重力のような宇宙におけ る未知の現象を説明するのに用いた。エーテルの概念は何世紀にも渡って支持を 受けていた。賢者ニュートンさえ重力に関する自身の著書でエーテルについて述 べているくらいだ。 Angel(エンジェル) 「霊祖」の大半が人間の守護・先導役として用いる存在である。神聖なる精霊 を総称してこう呼ぶこともある。 Centaur(ケンタウルス) ギリシャ神話に登場する半人半馬。気性は荒い(特に酔っているときは)が弓 の名手である。中には英雄の師となる者もいる。 Chaos(カオス) ギリシャ・ローマ人によれば全てはもともとカオス、全ての元素が混在した形 で存在していたという。他の元素と同様に、意志と肉体を得て顕現できるようだ ・・・妙な姿ではあるが。 Chupacabra(チュパカブラ) 犬のような生き物で、中南米に生息すると信じられている。山羊を襲い、その 血を糧にしているという。襲われた山羊には独特の歯形がつくが、その他に周辺 でチュパカブラの存在を示すような痕跡が出てくることはほとんどない。 Cynocephalus(キュノケファロス) 頭が犬になっているヒューマノイドの一種。世界各地でその存在を知られてい る。熟練の狩人であり、またほとんどが牛飼いを兼業する。彼らにとっての「牛」 は相当広い範囲に及ぶのだが。文明を持ち、独自の社会秩序を形成しているとさ れる。 Fetch(フェッチ) アイルランドの亡霊。人間の姿を写し取って現れる。夜に出現した場合、その 人物の命は旦夕に迫っており、昼に出現した場合は逆に長寿を意味している。今 の姿には何だか見覚えがあるぞ・・・現在の時刻を知る術が無い以上、どちらを 示唆しているのかは判らないが。 Ghoul(グール) 死体を食うデーモンだ。様々な文化に存在する。食料を得んがために生者を襲 うのも吝かではない。人畜無害な姿に変身し、隙を突こうとするグールもいるら しい。幸運なことにこのタワー内に出現する奴らはそういった能力を持たない。 Mandrake(マンドレイク) 人型の球根だ。フランスの魔術では強い魔法の力を持った、貴重品である。珍 重されるものの、収穫の際には難題が立ち塞がる。引き抜くと叫び声をあげ、採 集者は死んでしまうのだ。この問題を解決するために、魔法使い達はマンドレイ クの地面に出た部分を犬と繋いだ。それから餌などで釣って、離れるように仕向 けるのである。こうすれば犬がこの植物を引き抜いて、致命の絶叫を引き受けて くれる。こうして安全にマンドレイクを回収できる。 ★Python(ピュートーン) 大地のドラゴンだ。デウカリオーンの大洪水の後、残った汚泥より生じた。ど ういう経緯でか詳しく語られてはいないが、アポロンと争うことになり、その手 に掛かったという。しかしピュートーンは聖なる存在であったため、アポロンは 償いをせねばならなかった。これによりピューティア大祭が四年に一度デルポイ で開かれることになったのである。 Acheri(アチェリ) 病に斃れた少女の霊だ。死したるのちは生者に病をもたらす存在となっている。 アチェリの奏でる音楽を聴いたり、その影に触れる者は病気になってしまう。赤 いものを嫌うとも言われる。 Atua(アツア) ポリネシアの精霊。動物に憑き、人間に様々な禍を運ぶ霊を総称してこう呼ぶ。 毒、病、狂気などをもたらす。 Dipsas(ディプサス) ギリシャ神話に登場する蛇。これに噛まれると堪えがたい渇きを覚える。この 力を利用し、ディプサスは獲物へ水と引き換えに法外な取引を持ち掛けるという。 とある「霊祖」が人間に与えた不死の秘密も、この手の取引で奪われたとされる。 Kitsune(●妖狐) 中国・日本の精霊。九本もの尾を生やした狐である。様々な妖術を操り、伝承 によれば尾の数が多いほど妖狐の力は増すという。変化の術を心得ており、頻繁 に人間と接触する。人助けをすることもあるが、悪巧みもしばしば・・・ Tuofei(●タクヒ) 中国の鳥。人面で一本足という姿をしている。冬場にしか活動せず、またその 羽毛を纏えば、寒気や雹、落雷といったあらゆる気象災害を防ぐとされている。 ★Miodchaoin(ミオドカオイン?) ケルト神話における人食い鬼の代表だ。そのとてつもない大声は人間を怒鳴り つけて殺せたという。皮肉なことにこの人食い鬼、他人の大声は我慢ならない性 質であり、彼の丘に立って叫べば必ず襲い掛かってくる。こういう具合だったの で、とある男が一計を案じ、意に添わぬ三人の息子を始末しようとした。ミオド カオインの丘に赴き、その名前を三度叫ぶという肝試しを命じたのである。 Aitvaras(アイトワラス) 人家に棲むリトアニアの悪魔。オムレツを好み、宝物を運んでくる。残念なが らアイトワラスを使役するには問題点が二つある。まずこの宝物は無から生み出 すわけではなく、近場から盗んでくるということ。さらに、遅かれ早かれこの悪 魔は主人の魂を餌食にしてしまうということ。 Akateko(●赤手児) 日本の幽霊。切断された子供の赤い手首だ。普通は木に吊り下げられているの だが、このタワー内では縄を抜け出している模様。 Ala(アラ?) セルビアの魔女、あるいは悪魔。嵐を操る。とてつもない大食いで、作物や人 間の子供、果ては太陽と月まで腹に収めようとする。蝕の原因とされる。 Chachapuma(チャチャプマ) 南米の伝説に登場する獰猛なヒューマノイド。頭はライオンで片手に棍棒を持 ち、もう片方には前の戦いで得た首級を握る。 Ehlose(エーローズ?) アフリカの守護霊。多くの場合蛇の姿を取り、人に危険を報せる。 Umiboze(●海坊主) 日本の巻物に登場する恐怖の存在。巨大な人型の影みたいな姿を取り、静かな 晩に航海中の船を襲撃する。海で命を落とした僧侶の霊だという話もある。坊主 頭なのでそのように考えられているのだろう。 ★Turdak(トゥルダク) チベットの神。踊る骸骨の姿で現れる。踊ることで病をもたらし、また癒すこ ともできる。生前の行いに応じた罰を、あの世で罪人に下す役も担う。 Bmola(ブモラ?) 寒気を運んでくるネイティブアメリカンの精霊。メイン州にあるカターディン 山に棲む。麓の住人はブモラが人を嫌うと信じており、この山には登りたがらな い。 Eloko(エロコ?) アフリカの小人。森を徘徊し、動物をハンターから守っている。魔法の力を有 し、人間を深い催眠状態に陥れる。そうして犠牲者は全身を動物たちに貪り食わ れるのだ。 Hob(ホブ) ヨーロッパの家庭に居着く妖精。子供の世話が非常に上手い。ボロを纏ってい るが新品の服を与えようとすると怒り狂う。 Zagh(ザーグ) 人の顔を持つ、アラビアの霊鳥。神の智慧の象徴とされ、あらゆる言語を解す る。 ★Anzu(アンズー) メソポタミア神話における強大な嵐の悪魔。巨鳥の姿で描かれるが、頭部がラ イオンになっている場合もある。アンズーは主神権の象徴を盗み取ったが、神々 はその力を恐れる余り、アーティファクト奪還に二の足を踏んだ。結局、マルド ゥク神がアンズーを討ち果たし、後にバビロニアの主神となる。 Druj nasu(ドゥルジ・ナス) ペルシャの悪魔。巨大なハエの姿をしている。出来たばかりの死体に憑りつき 人間に恐ろしい呪いをかける。 Mummy(マミー) 慎重を期して防腐処理をし、包帯を巻いた亡骸だ。何週間もかかるエジプトの 葬礼に基づいたものである。これには「死後も本人が体を使えるように」という 意図がある。一様に強力な呪いがかかっており、眠りを妨げたり遺体を傷つける 墓荒らしには禍が降りかかるだろう。このため、敵意を持って襲い掛かってくる マミーは厄介な相手となる。 Raiju(●雷獣) 日本における雷の精霊。猫や狐といった小動物の姿を取る。雷を伴う嵐が来る と狂喜乱舞し、周囲に甚大な被害をもたらす。また、人間の腹の上で寝るのを好 む。寝床となった人間が大変な目に遭うこともあるのだが。主である雷神が雷獣 目がけて雷を落とし、眠りを覚ますことがあるからだ。 Shisa(シーサー) 中国・日本で守り神となっている獣。ライオンと犬を合わせたような姿だ。雌 雄一対で並び、門外を守護している。雌のシーサーは福を呼び、雄のシーサーは 禍を退ける。 Demas(デマス?) 東インドにおいて最初期人類の一員とされる存在。人間と霊の中間的な存在で あったという。様々な発明をしたが、火を作り出した時に危うく世界が滅びると ころだった。その際、デマスの一員であるダーヴィという者が大雨を降らせて世 界を救った。 ●Oni(鬼) 日本の悪魔。残忍でその悪行は留まるところを知らない。怪力の持ち主で、そ の上大きな金棒を携えている。「霊祖」によって、死後の世界で罪人に罰を与え る役割を担うことがある。悪人が死ぬと鬼に生まれ変わることがある・・・だが 極悪人は生きながらにして鬼と化す事例もあるようだ。 Pixie(ピクシー) 宙を飛ぶ、西洋の小柄なヒューマノイドだ。「霊祖」に引き取られなかった子 供の魂がアンデッドになったと考える者もいる。また、フェアリーの一種なので は、とする者も。どちらにせよ、はた迷惑な存在だ。魔法を用いて人間を惑わし 罠にはめて笑い転げるのだから。 ●Shikigami(式神) 紙人形に封じ込めた精霊だ。日本の陰陽師が独自の儀式で作り出す。雑用から 調査、盗み、追跡など主のために様々な仕事をこなす。 Banshee(バンシー) アイルランドの死の精霊。間近に死が迫っているのを警告するというが、今し がた死人が出たのを告げるという話もある。特定の血筋に仕えるバンシーもいる。 Barbegazi(バーベガジ) フランスやスイスの山岳に棲む小人の一種。髭は氷でできており、足はスノー シューみたいな形状だ。そのおかげで棲み処と自認する雪山を動き回れる。内気 だが、遭難した人間を助けることもある。 Drop bear(ドロップベア?) オーストラリアで目撃したという報告がある生物。外見はコアラに似ているが オレンジ色で肉食。さらに極めて攻撃的だ。高い木の枝に登って獲物を待ち伏せ 下にやってくると飛び降りる。そして強烈な攻撃を加えるのだ。大抵の場合、無 傷では済まない。ドロップベアの名前はこの戦法に由来する。 Nokken(ノッケン?) スカンジナビアの怪物。意のままに自身の姿を変えられる。多くの場合、穏や かな水面、例えば泉の真下に潜んで髪や頭を花の姿に変化させる。その「花」を よく見ようと獲物が間近に寄れば、飛び出して水中に引きずり込むのである。獲 物を誘うのに「花」で無理なら、うっとりとするような音楽を奏で、おびき寄せ ることもできる。 ★Reprobus(レプロバス) 人間世界において比類なき勇者とされるキュノケファロスだ。恐れを知らぬ主 を探し求めている。初めは王に仕えたが、彼が悪魔を恐れるのを聞いて宮廷を去 り、今度は悪魔に仕えんとした。予言によれば最後には強大な「霊祖」に仕え、 列聖されることになっている。 Scarab(スカラベ) フンコロガシに似たエジプトの昆虫。幸運を呼び寄せ、魔を退けるとされる。 古代エジプト人はフンコロガシの姿に深い意味を見出していた。その動作は大い なる太陽が日々天空を「転がる」のに似ていると。そればかりかフンに産み付け た卵が最後に孵るのを、永遠に続く生死のサイクルの象徴としていた。 Shoggoth(ショゴス) おぞましい不定形生物。ラヴクラフトの予言に言及されている。元々は「古の もの」が奴隷種族として作り出したものだ。ショゴスはあらゆる環境に適応し、 際限なく変化する。海底に沈んだかつての主たちの都を今や彼らが支配している のだ。 Yali(ヤーリ) インドにおける聖なる存在。キマイラの一種。ここではライオン、蛇、象が合 わさっている。寺院や聖域を守護し、その力で敵を退ける。 ★Charlie(チャーリー) 子供たちが占いの答えを聞くために呼び出すデーモン。直接姿を現して会話す るのではなく、「お願いする側」が手作りしたシンプルな占いセットをテレキネ シスで操作して答える。ほとんど無害なデーモンとされるが、「お別れ」の儀式 をきちんと終わらせないと深刻な事態に陥ることがある。 ★Kamapua'a(カマプアア) 傍若無人なハワイの戦士。呪いによって豚の顔になっている。放浪の旅の際、 出会う者に片っ端から戦いを仕掛けた。火山の女神ペレとは恋に落ちたが、その 後、敵対したことで有名である。トリックスターでもあり、己の強力な力が通用 しない時には様々な策を弄して難を逃れている。 ★Pele(ペレ) ハワイにおける火山の女神。火に関連した性質を幾つも有する。力、情熱、憤 怒。そしてしばしば残酷なまでに気まぐれである。人間世界のハワイ、キラウエ ア火山の頂に住むとされる。 Archangel(アークエンジェル) エンジェル達を指揮する存在。また、「霊祖」からその信徒に対して予言 を伝えたり、知識を授けるメッセンジャーでもある。 Ben nefilin(ベン・ネフェリム) ユダヤの残忍なデーモン。てんかんを引き起こすとされる。 Ooze(ウーズ) この生き物に関する伝承は存在しない。このタワーで生まれた存在のようだ。 何でも溶かしてしまう性質からするに、タワー内の血痕や肉片を掃除しているの だと考える者もいる。さもなくば、激しい戦いが繰り広げられるこのタワー内は きっと酷い有様になっているだろう、と。 Vishap(ヴィシャップ) 猛毒をはらむアルメニアのドラゴン。アララト山に生息する。ひとたび怒れば 激しい嵐を引き起こす。怒った時の力はそれはもう凄まじいものだったので、近 隣の住人は「ヴィシャップの石」と呼ばれるモニュメントをテリトリーの近場に 建て、旅人への忠言とした。 Bonnachon(ボナコン) 砂漠に生きるアジアのモンスター。牛に似ているが、馬のようなたてがみを生 やし、角は内向きに曲がっている。酸性のフンを大量に浴びせて身を守る。 Gorgon(ゴルゴン) ギリシャ神話に登場する不気味な生物。人間の女性に似ているが、怪物的な特 徴を幾つも有している。爪や牙、鱗など。翼はあったりなかったり。詩文におい て、ゴルゴンの特徴はまちまちだ。ただ、睨んだ人間を石に変えてしまうという ところはほぼ共通している。ほとんどは不死身とされているが、メデューサは例 外中の例外だ。彼女は生まれながらのゴルゴンではなく、呪いによって姿を変え られてしまったのだ。 Mananangal(マナナンガル) フィリピンの魔女。上半身だけを切り離して空を飛び、夜陰に紛れて無力な相 手を狙い、攫ったり餌食にしたりする。例えば老人、妊婦、子供がその対象だ。 残った下半身に塩を振りかけておけば、元に戻れず死に至るという。 ★Ninkasi(ニンカシ) ビール造りを人間に教えたというメソポタミアの女神。元はと言えばエンキと いう別の神が引き起こした禍を収めるべく生まれた。ニンカシへの賛歌はその実 ビールの醸造法を表すものとなっている。 Unicorn(ユニコーン) 神秘の獣。螺旋状の一本角を生やした美しい馬の姿をしている。人間世界では 非常に有名である。ユニコーンが有する癒しの魔力は驚異的だ。皮肉にもこのせ いで人間たちはユニコーンを狩り立て、絶滅寸前に追いやってしまった。血や角 といった様々な部位からこの大いなる魔力を取り出せないかと考えたのだ。 ★Baphomet(バフォメット) バフォメットは両性具有のヒューマノイドの姿を取る。背中には翼が生え、頭 部は山羊。この形態は宇宙のバランスを表しているとされる。よく「様々な結社 が秘密裏に信奉している」とされ、時として組織を瓦解に導くという。ただし、 魔法使いをはじめ真理を探究する者達からは公然と崇拝を受けている。 Jinn(ジン) アラビアの伝承に登場する精霊。その体は燃え盛る業火で、とてつもない魔法 を自在に操る。人間と関わる話は星の数ほどあり、望みを叶えることもあれば破 滅に導くこともある。時としてその両方も。 ●Kuchisake(口裂け女) 日本のゴースト。口裂け女が生まれる背景には背筋が凍るような話がある。夫 に惨たらしく切り裂かれて殺された女性が口裂け女になるというものだ。引き裂 かれた口をマスクで隠しており、子供に対して「ワタシキレイ?」と尋ねる。こ の問いに「はい」と答えた相手に対してはマスクを外し、ありのままの姿を見せ た上でもう一度同じ質問をするのだ。どう答えようとも大怪我を負うか、殺され るかという結果になる。 Nuppeppo(ぬっぺっぽう) 腐肉の塊とされる日本の妖怪だ。人畜無害ではあるのだが、胸の悪くなるよう な強烈な悪臭を放っている。その肉を食べれば不老不死を授かるというが・・・ とても試してみる気にはなれないだろう。 Yeti(イエティ) 半獣のヒューマノイド。ヒマラヤ山脈に棲むとされる。人間との接触例はかな り少ないが、生息地域の山や森に隠れた古代の聖地を守っていると言われる。 Medusa(メデューサ) ギリシャ神話によるとメデューサはかつて絶世の美女であった。しかしアテナ の神殿で、ポセイドンがメデューサへ迫るという事件が起きる。激怒したアテナ は、ポセイドンではなくメデューサを責めた。怒れるアテナの呪いで、哀れメデ ューサはゴルゴンの姿に。人間世界屈指の怪物が生まれることになったのだ。 Abatwa(アバツワ) 小さなアフリカの妖精。アリと寝起きを共にする。彼らが葉っぱから作る毒矢 の威力は侮れない。体が非常に小さいのを気に病んでいるとされる。伝承では、 アバツワに出会ったなら「向こうの山から姿が見えた」と言ってやるのが良いら しい。そのアバツワが巨体の持ち主であるという含みになり、警戒を解いてくれ る。 ●Ikiryo(生霊) 他者への憎悪から生まれた恐るべき亡霊。日本の伝承によると、憎悪に身を焦 がす者は生きながらにしてその魂を生霊とし、遥か彼方へ飛ばして怨敵と見なす 者を害するという。 Peluda(ペルーダ) フランス生まれのドラゴンの一種だ。棘が全身をびっしりと覆っているのが特 徴。どうやらノアの大洪水の際、避難させてもらえなかったようだ。洞窟に潜ん で生き延びたが、以来あらゆる生物に対して恨みの念を抱いている。 Ruler(ルーラー) 「霊祖」の命を受けて人間に智慧と知識をもたらす存在。人間の指導者へ、こ こぞという時に啓示を下す。また、芸術・科学の分野において人々に閃きを授け る役割も持つ。ある者は言う。真の意味でヒトが何かを創造したことはあるのだ ろうか? 科学・芸術の偉大なる発見は、全てルーラー達がヒトに授けたもので はないか? Umdhlebi(ウムドレビ) 南アフリカで発見された樹木だ。3つの特徴的な性質が知られている。第一に 樹皮や葉を含め極めて有毒な樹であること。第二に赤黒い実をつけ、これは貴重 な薬になるということ。第三に動き回れるということ。 Impundulu(インプンドゥル) 稲妻を生み出す南アフリカの鳥。気性は邪悪で、専ら血液を餌とする。黒魔術 師はしばしばこの鳥を使い魔とする。 Pelesit(ペレシト) マレーシアのデーモン。イナゴやバッタのような姿をしている。使い魔として 同じ家系に仕える存在であり、親から子へと引き継がれていく。ペレシトには厄 介な側面もあり、餌をやらずに行使し続けると制御を外れ、暴れまわるようにな る。 Polong(ポロング) マレーシアのゴースト。他人の手に掛かった死体の血を使って召喚する。呼び 出した後、召喚者自身の血を与えて支配下に置く。そうした上で敵対する相手の 下へ放ち、危害を加えるのだ。別種の使い魔であるペレシトと併用することが多 い。 ●Shojo(猩々) 酒好きで陽気な日本の精霊だ。酒造りに関しては天才的で、出来上がった酒に 強力な魔力を込める。これは徳を積んだ者には薬となるが、悪行を重ねた者には 毒となる。 ★Tlaloc(トラロック) 生命と豊穣、雨と嵐を司る古代アステカの神。人を生贄に捧げることで姿を現 し、穏やかな恵みの雨を降らせて豊かな実りを促す。しかし一度怒れば雹と稲妻 を降らせ、不心得者どもに災厄をもたらす。 Charun(カラン) エトルリアの伝承に登場する。長身青肌のヒューマノイドで、巨大なハンマー を携えている。その性質についてははっきりとしない。「死者を冥府へ先導する 存在」とされるが、もっと恐ろしいデーモンとなっている場合もある。そのハン マーで瀕死の者に止めを刺し、ハデスの下へ引き立てて責め苦を負わせるのだと。 Cherufe(チェルフェ) ヒューマノイドタイプのモンスター。南米のマプチェ族の神話に登場する。火 山を自在に操る力を有する。リザードマンの姿をしているが、体を構成している のは溶岩だ。横暴が過ぎたため、太陽神の娘たちがチェルフェの大半を火山の中 に封じ込めた。氷の剣でもって彼らを冷やし、固めたのである。 Incubus(インキュバス) 各地でその名を知られるデーモンだ。夜中に女性を誘惑し、床を共にする。そ うして精気を吸い取るのだ。こうして生まれた子供はカンビオンと呼ばれ、しば しば特異な力や性質を有する。 ★Phoenix(フェニックス) ギリシャ神話によく登場する炎の霊鳥。死しては蘇りを繰り返す。時代が下る につれ、光・変化・復活のシンボルとなり、様々な形で全世界に認知されるよう になった。 Rakshasa(ラクシャーサ) ヒンドゥー教・仏教に登場する、ある種の悪魔。容貌は醜悪を極め、飽くこと なく血を求める。とある「霊祖」が眠っている際、その精髄より生まれた。ラク シャーサ達の食欲は凄まじく、生まれてすぐに親である「霊祖」を喰らおうとし た。そのため、罰として人間世界へ放逐されたのである。 ★Anansi(アナンシー?) アフリカの神。物語や叡智、機転を司る。アナンシーは天空神ニャメが与えた 試練に応えるため、怪物を幾体か捕えた際にその力を得たとされる。信徒たちは 圧制の時代にアナンシーの逸話を引用してきた。強大な相手に対していかに戦い 抜くかという教訓として。 Catoblepas(カトブレパス) エチアピアの伝説に登場する怪物。概してバッファローに似ているが、頭は大 きく首が長い。首は細いため、いつも頭は地面に着いているが、人間にしてみれ ばこれ幸いだ。その視線は生物を石に変え、猛毒の息を吐く。どちらも危険だと 知られているのだから。 Civatateo(シワテテオ) ヴァンパイアの一種。アステカ神話に登場する。身分の高い女性が出産で他界 するとシワテテオとなる。アステカでは出産は一つの戦いと見なされており、出 産で命を落とすのは戦死と同じく、最高の栄誉とされた。事実、この怪物は神の 使いにまでなっているのだが、にもかかわらず子供を好物とする。 Power(パワー) 「霊祖」が天界を守護し、敵対する霊と戦うために作り出す存在。霊的な戦い では人間を導き、造り手となる「霊祖」の戒律に沿った生き方を促す。「パワー の導きとはすなわち良心であり、このため人間はしかるべき善行を自発的に行う のかもしれない」と考える者もいる。 Vampire(ヴァンパイア) 恐らくはこのタワー内で最も有名な存在だ。ヴァンパイアにまつわる話は世界 中に存在する。他のアンデッドに比べ、非常に知能が高く、外見は生者に限りな く近い。人間の血液を糧とし、吸血する相手を(生かす気があれば)ヴァンパイ アにしてしまう。長寿で生者との区別が難しいため、人間世界の各政府中枢に根 を張っているという噂だ。 ●Yuki-onna(雪女) 日本の精霊。外見は白装束の美女だ。吹雪が来ると姿を現し、様々な手段を講 じて出会った人間を殺していく。冷気を操って直接死に至らしめる者もいれば、 吹雪の中に誘い込み、凍死を待つのが好きな者もいる。雪女が生まれる背景につ いてははっきりしない。吹雪の中で死んだ女性の亡霊という話もあれば、異界の 精霊で人間とは無関係とも。 Brucha(ブルーチャ?) アイルランドの怪物。ブタや犬、イナゴなど様々な形を取る。どのような姿で あれ、全身に巨大な鉄針を生やしているのは変わらない。農地を荒らしまわるの だが、これは教会に足が遠い農家への罰を担っているとされる。最後の審判の日 にはやはり同じ役目を果たすことになると示唆する記述もある。 Eye Killer(アイ・キラー?) 南米のデーモンだ。ある種の呪具を使って妊娠した女性がこれを産む。正に名 が体を表わしており、フクロウに似たその両目から強烈な稲妻を放つ。 Leib-Olmai(レイ・オルマイ?) サーミ人が信じる森の精霊。人間と接触する際は熊の姿を取り、狩人に幸運を もたらすとされる。狩人たちはこの精霊を讃え、ハンノキの樹皮に水を混ぜて顔 にまぶす。 Ya-Te-Veo(ヤ=テ=ベオ) アメリカ中央部、およびアフリカで目撃されたとの報告がある。蛇のようにう ねる枝が生えており、これを伸ばして近場まで来た獲物を誘い込む・・・もしく は自ら接近した獲物に。食人植物の例に漏れず、この樹はぞっとするような速さ で動けるのだ。 Basilisk(バジリスク) 猛毒の蛇だ。人間世界のキュレネ近郊で発見された。蛇の中では最も強力な毒 を有するが、さらに一瞥しただけで生き物を殺せる。普通の蛇とは異なり、頭部 には王冠のような鶏冠が屹立している。この鶏冠と他の追随を許さぬ殺傷力を鑑 みれば、蛇の王と呼ばれるのも納得である。 ●Death Worm(モンゴリアン・デスワーム) モンゴルにいるという幻の生物。主にゴビ砂漠に生息する。皮膚は不気味な赤 色で、唾液は酸。どちらも触れれば命は無い。電撃を放つという話もある。有名 無名を問わず、調査隊を結成してその存在を確かめる試みも幾度か為されてきた が、失敗に終わっている。発見例も無ければ、実在する証拠が見つかったためし もない。 Kaw Kaw(カウカウ?) マルタ共和国の伝承に登場する。人の形を取る巨大な灰色のスライムで、夜中 に徘徊する。罪人の匂いを嗅ぎ分けることができ、その不定形の体を利用して不 運な獲物を襲う。家の隙間から侵入し、標的を貪り食らうのだ。 Mulassa(ムラッサ?) スペインのドラゴン。炎を吐く、鱗の生えた騾馬の姿をしており、気質は竜の それだ。元来はでたらめな破壊の力を宿す存在であったが、時代が下ると共にむ しろ強力な守護霊と見なされるようになった。 ★Ogun(オグン?) アフリカ神話の神。鍛冶の知識を人間に伝えたことで知られる。また、軍神と され、狩猟や探索、発明、他にもいくつかの分野を担っている。人間の前に初め て現れた際には鉄の斧で森を切り拓き、人間が住めるようにした。その斧で天か ら地上への道を開け、他の神々を先導したとも言われている。 ●Shikome(黄泉醜女) 日本神話において地下世界に住むと言われる鬼女。ある物語によると、イザナ ミの命を受け、その夫であるイザナギを追ったという。事の発端は、この世を去 ったイザナミに、イザナギが地下世界で会おうとしたことによる。「見るも無残 に崩れた体を見てほしくない」という彼女の願いを無下にしたのだ。イザナギは いろいろな物を投げて黄泉醜女を撹乱し、逃げおおせた。髪飾り、櫛、そして桃 を3つ。 ★Baba Yaga(バーバーヤーガ) ロシアから東欧にかけて広く知られる魔女だ。おそらく西洋の魔女伝説は、ほ とんどが彼女を基にしたものだろう。大自然の化身であるとされることが多い。 バーバーヤーガに遭遇した人間は大抵危険な目に遭うが、時には手助けをしてく れるとされる。バーバーヤーガは鶏の足を生やした命ある小屋に住む。また、鉢 に乗り、すりこぎを使って辺りを飛び回る。 Couril(コーリル?) フランスの妖精。夜中にストーンサークルで踊るのが好き。踊っているコーリ ルに近づけば誰であれ災厄が降りかかる。それが男なら死ぬまで踊り続け、女な らば死にはしないが後でコーリルの呪いを受けた赤ん坊を産む。その子供は近隣 に住む男に生き写しだ。 ●Jotunn(霜の巨人) 北欧神話の巨人族。彼らはイーミルを祖としており、イーミルが原初の混沌の 中から生まれた最初の生命であると信じている。北方の神であるアース神族・ヴ ァン神族とよく対立するが、友好的な関係を築く場合もあり、婚姻を結ぶことす らある。 Virtue(ヴァーチュー) 各「霊祖」が目をかけた人間に奇跡をもたらす際(奇跡の種類によっては不興 を覚えた人間に)このデーモンを使役する。彼らは「霊祖」から授かった奇跡を 行使したり、選ばれし聖者にその力を授けたりもする。 ★Bigfoot(ビッグフット) 目撃例の希少な生物。外界との接触を避けている。生息地は北アメリカの森林 部。元来、人間との接触を嫌うが、このタワー内では見境なしに襲い掛かる。故 郷の森に帰れず怒っているのだろうか? Blue man(ブルーマン?) 水中を住処とする不定形のヒューマノイドだ。スコットランド北西のミンチ海 峡に棲んでいる。普段はおおよそ人間の姿(青色ではあるものの)をしているが 液体のような形で空中や水の中を伝っていける。気候を操作する力を有しており、 猛烈な嵐を起こしてテリトリーを通る船を沈めてしまう。これを免れるには彼ら が叫ぶ詩に上手く応えなければならない。 Caladrius(カラドリウス) ローマ人はこの鳥に病を見抜く力があると信じていた。さらには患者から病気 を引き出し、他所へ散らしてしまえると。人間世界においては病気を治すという 点が極端に注目されており、散らした病気が誰に伝染するのかを気に留める者は いない。このタワーでカラドリウスに遭遇したサモナーはその性質をきちんと理 解することになる。 Lampad(ランパス) ギリシャ神話に登場するニンフの一種で、地下に棲んでいる。ゼウスは彼らを ヘカテの召使とした。ティタノマキアとして知られる戦いでの働きに報いたのだ。 以来、ランパス達はヘカテが夜歩きをする際に付き従うようになった。不気味な 灯りで女神の道を照らすが、この光を見た人間は正気を失ってしまう。 Nuckelavee(ナックラヴィー) スコットランド北部のデーモン。痩せた馬の背中に人間の上半身が融合した恐 ろしい姿をしている。見た目以上に恐ろしいのはその力だ。凄まじい速さで駆け、 長い腕を伸ばすのでまず逃げられない。その上蒸気を放っており、命あるものは これに触れると火傷を負って体が溶け、病気にかかってしまう。 B.E.K(●黒い目の子供) Black Eyed Kidの略称だ。奇妙な子供の姿をしており、青白い肌で、眼球は黒 一色。たまに人前に姿を現し、玄関の向こうや車の外から「中に入れて」と言っ てくる。招き入れたら何が起こるのかは不明である。なにせこいつらについての 話は全部、要求を断った人達のエピソードなのだから。 Dominion(ドミニオン) エンジェルやアークエンジェルといった「霊祖」達の下級配下を監督する存在 だ。人間界のいざこざに首を突っ込むことは滅多にないが、介入するとなれば絶 大な力を行使する。 ★Hecate(ヘカテ) ギリシャ神話における女神の中で最強の一角だ。魔術を司っているが、夜と死 者を支配する者でもある。その力は強大で、しばしば神々の内紛に関わった。ギ リシャの神々以前にオリンポスを支配していた、ティターン族との戦いに手を貸 したことも。特筆すべき点として、たまに人間を動物に変え、使い魔として使役 する。時として何かの見返りに、またある時は呪いとして。 Succubus(サキュバス) 日が落ちた後、男の元にやってくる有名なデーモンだ。男を誘惑して床を共に することで精気を吸い取る。インキュバスとサキュバスはその実同じ種であると いう説もある。相手に応じて姿を変えているだけなのだと。 Wechuge(ウェイチュゲー?) カナダの昔話に登場するデーモンだ。古の霊獣に憑りつかれた人間で、冷気を 操る狂った喰人鬼と化している。ある種の難解なタブーを犯した人間はこうした 霊に憑かれやすいと言われている。たとえば特定の種類の音楽を聴いたりカメラ のフラッシュを受けたりなど。 Golem(ゴーレム) 粘土から作った人造生命体だ。カバラ秘伝の聖なる儀式で命を吹き込まれる。 普通はコミュニティを脅かす敵に対抗して造るものだが、それが諸刃の刃とな ることもしばしば。非常に強力であるものの、コントロールが困難なのだ。 Ibong adarna(イボン・アダルナ?) フィリピンの民話に登場する鳥だ。美しい姿をしており、様々な力を有する。 その力で病を癒さんと、人間はしばしばこの鳥を追い求める。だがそうした狩人 達は大抵、イボン・アダルナが持つ他の能力を味わう羽目になる。特に眠気を誘 う歌声と、人を石に変える排泄物を。 Throne(スローン) 「霊祖」に仕えるべく生み出された存在だ。だが人ならざる姿を見ればわかる ように、直接ヒトと関わるようにはできていない。それぞれの「霊祖」達の領域 で働くように創造されているのだ。人間世界において絶大な力を有しているのは 意図されたものではない。長い間「霊祖」の力に接していた副作用だ。 Yithian(イスの偉大なる種族) ラヴクラフトの予言に登場する種族。彼が記したところによると、精神を飛ば して過去や未来を見る種族であるという。その時代の知的種族に乗り憑るのだ。 何故本来の肉体でこのタワーにいるのか、どうしてサモナーに襲い掛かってくる のかはわからない。ラヴクラフトは彼らを平和的な種族として描写しているのだ が。 Ijiraq(イジラック) イヌイットの神話に登場する。複数の世界に同時に存在し、自らの姿を変え られるという。ただしその変身能力にはいささか不備がある。姿を真似ても顔が 横向きになってしまうのだ。北方の荒野を棲家とし、その能力で狩人たちを惑 わす。 ●Jorogumo(女郎蜘蛛) 日本の民話には女郎蜘蛛の怪談がいくつもある。絡新婦とも。生まれたと きは虫を食う普通の蜘蛛だが、十分に成長すると人間の女性に変身する能 力を得る。この力で新たな獲物、つまり男を誘うのだ。 Night-gaunt(ナイトゴーント) ラヴクラフトの予言に登場する深淵の主ノーデンス。彼らはその召使だ。顔 は完全にのっぺらぼうである。不気味な外観をしているが、いつもはそれなり におとなしい。とはいえ、このタワー内では我先に襲い掛かってくる。 Valkyrie(ヴァルキリー) 北欧神話に登場する女戦士達だ。ヴァルハラにてオーディンの手勢となる べき死せる戦士を探し求めている。ヴァルキリーに選ばれた戦士はエインヘル ヤルと呼ばれ、ラグナロクに参戦する。 Asura(アスラ) 2つに分かたれた聖者の血筋。その一方に属する者だ。アスラの側に属す る者たちは破壊衝動を宿していることが多い・・・だが必ずしも完全な悪とい う訳でもない。デーヴァ神族へ戦いを挑もうとやきもきしている。 ★Athena(アテナ) ギリシャ神話に登場するかの女神だ。工芸、智慧、戦争を司っている。よく 人間を導いて偉業を助けるため、現代においてすら善神とされている。しかし 実際には冷酷な復讐者の気質を備えていた。このタワーの住人の中にはその 証左となる者たちがいる。 Cherub(ケルビム) 霊祖たちが自らに直接仕えるように創り出した存在だ。他の主要神格の役 目を担うこともある。 原初の人間たちが規則を破り、楽園から追放された 際、ケルビムたちが楽園守護の任に就き帰還を阻んだといわれている。 Meamei(メアメイ?) 魔法の杖に炎を秘匿していたオーストラリアの女部族、その一員だ。 「カラスのワーン」に嵌められて杖を折り、炎を解放してしまった。 「カラスのワーン」は彼女たちが食べようとしたシロアリの巣に蛇の群を仕 込んでおいたのである。他の話ではメアメイの姉妹たちは天に昇って プレアデス星団になったという。 ●Sura(デーヴァ) 2つに分かたれた聖者の血筋。その一方に属する者だ。デーヴァの側に属す る者たちは穏やかな心を宿していることが多い・・・だが必ずしも完全な善とい う訳でもない。アスラ達と常に対立している。 ★Thor(トール) 力と嵐を司る北欧の偉大なる神だ。ここ数世紀は様々な姿で人間の目に 留まっている。人間は彼を崇拝しており、Thursdayはトールを讃えた曜日名 である。強烈な雷を宿すミョルニルを振るい、最後の戦いでは大蛇ヨルムンガ ンドと相打ちになると言われている。 ★Daksha(ダクシャ) 聖なる血筋に属する王。高貴な出自に加え、女神サティの生まれ変わりを 娘に持つ栄誉を授かった。その結果、己の偉大さを確信するに至り、この世の 全ては我に頭を垂れよと要求した。神々ですら例外ではない。ほとんどは従っ たが、シヴァ神だけはいつも会釈をするのみであった。このことでダクシャはシヴァ 神を恨むようになり、サティとシヴァが夫婦になった後もまるで和らぐことはなかった。 Grootslang(グローツラング) 神々が想像した最初の生物の一種である。凄まじい力と類稀なる知能を単体 の生物が有するのはあまりにも危険だと判ったため、象と蛇に分割されてしまった。 おっと、対応措置から逃れた奴らもいるみたいだぞ・・・ Kaliga-on(カリガ・オン?) フィリピンにおける火山の精だ。善人を見守り、守護しているが行いの悪い者たち を病気にする。 Marmoo(マーモー?) オーストラリア神話の精霊たちだ。神々が創造した豊かな生命を妬み、全てを食い 尽くすために昆虫を作り出したとされる。昆虫達は小さかったため、あわや全てが手遅 れになるというところでやっと事態が明らかになった。神々は花をいくつか鳥に変え、昆 虫達を食べさせた。 ★Sati(サティ) ダクシャの娘に転生したヒンドゥー教の女神だ。ダクシャは聖なる血統に連なる王で あった。サティは後にシヴァの妻となったが、ダクシャは相も変わらずシヴァ神を嫌ってい た。ダクシャは生贄の大祭を催そうとしたが、シヴァ夫妻は招かなかった。サティは参列 すると言い張り、ダクシャが夫を侮辱するのを長々と聞かされることとなった。父の恥知 らずな行いに耐えかねた彼女は「次の生ではもっと私にふさわしい父のもとに生まれる ように」と言って生贄の炎に身を投げた。 ★Shiva(シヴァ) ヒンドゥー教の主要神で、霊祖に匹敵する力を有する。劫の終わりに宇宙を破壊す る任を負っている。こうした凄まじい使命を帯びているものの、肯定的に見なされている。 シヴァ神の破壊は来るべき次なる創世と劫の再スタートに必要なものだからだ。 Spriggan(スプリガン) 西洋における大地の精霊である。痩身の老いた小人の体をしており、顔は子供の それだ。しかしこの頼りない姿は、全くの見せかけである。巨人の如き腕力を有する、邪 悪な心の持ち主だ。実のところ、巨人の亡霊なのだという者もいる。 Seraph(セラフ) 霊祖が創造した強大な存在だ。霊祖に随身して歓喜の裡に讃え続けるというのが彼 ら熾天使の第一任務である。霊祖に拝謁する人間を儀式によって浄化することもあり、 例えば燃え盛る石炭に口づけをさせる。こうして来訪者は一時の間、霊祖に見える資格 を得るのだ。 ★Slenderman(スレンダーマン) 極めて強大、かつ危険な存在である。人間の集合意識と想像力を源として生ま れた。細身かつ異常なまでに長身で、触手を生やしたヒューマノイドだ。上下は 背広で、のっぺらぼうである。その姿を見たものは恐ろしさのあまり身動きが取 れなくなる。犠牲者を完全に支配してしまうこともあり、彼らは比喩抜きで恐怖 の奴隷となるのである。 Daeva(ダエーワ) 古より忌まわしき存在として、人間たちが崇拝を拒んだはぐれ神だ。様々な形を 取るが、動物をおぞましくした姿を好んでいる。ダエーワの中にはおよそ人間が能う 限りの邪心と罪業を司る者がいるという。 Einherjar(エインヘルヤル) ヴァルキリー達に選別され、ヴァルハラに招かれた北欧の戦士達だ。彼らはそこで 訓練を重ね、ラグナロクの刻を待っている。数十年でエインヘルヤルの数は大幅に 増加した。彼らの食事として、不死の猪セーフリームニルが復活しては屠って料理 されている。ヤギのヘイズルーンの乳房からは毎日大鍋一杯のミードが流れ、全員 の渇きを満たすのだ。 ★Ahriman(アーリマン) ゾロアスターの教義によれば、アーリマンは邪悪なる者の中で最強の存在であり 諸悪が形を得たものだという。あらゆる善の対極に位置するのだと。サタンやイブリース といった他宗教における神の敵は、アーリマンを基にしたものだと考える者は多い。 同一の存在であるとされることすらある。そうした悪魔たちの行為が似通っているためである。 ★Loki(ロキ) 北欧における詐術の神。霜の巨人族を父に持つが、アース神族の一員であった。 家族となったアース神族側に一貫した態度を取らず、オーディンやトールを含め、度々 手を貸すこともあれば侮辱し、あるいは邪魔立てすることもあった。あまつさえアース神 族を殺害したことも。フェンリル、ヨルムンガンド、スレイプニルといった怪物の父、あるい は母である(己の肉体を変化させる能力があるため) ★Woden(●ヴォーダン) 北欧神話の最高神。オーディンとも呼ばれる。主神にして怒りの王。 知恵、戦争、魔法、技能など数多の分野を司っている。彼の力の大部分は自己犠牲 によって手に入れたものだ。ルーンの魔術を得んがため9日の間、槍で貫かれたまま ユグドラシルで首を吊ったのである。片目を抉ってミーミルの泉を飲み、叡智を授かったこともある。 これらの他にも力を有しており、世界の終わりである最後の戦い、ラグナロクの中心人物 となる。 ★Mothman(モスマン) 北アメリカ東部の都市伝説。この奇怪な生き物が姿を見せるのは死や破壊の前触れ であるらしい。モスマンを見かけると橋が落ちたり、テロが起こると言われている。異次元の 生物なのかはたまたエイリアンか。ひょっとすると野生動物なのか。不吉な事件の前触れに 過ぎないのか、または何らかの方法で引き起こしているのかも定かではない。 ★Ba'al(バアル) 中東の古代神。名前自体が主、または支配者という意味を持つ。凄まじい力を有している と語られており、幾多の神々を打ち破って神々の王となり、また冥界の主となった。あまりの 強さにしばしば「打ち負かす神」と呼ばれる。天候と豊穣も司っており、他の神々を裁く立場にある。 ★Demiurge(デミウルゴス) 今の人間世界を創造した霊祖だ。意外かもしれないが、これは悪行であるとされている。 清らかで聖なるものを、有限にして滅びうる物質の殻に閉じ込めたのだから。デミウルゴスに 悪意があったのか、それともどのような結果を招くか無頓着だったのか、ということについては 哲学者の間で未解決問題となっている。 ★Hastur(ハスター) ラヴクラフトの予言に登場する、言葉にできないほど強大な存在だ。しばしば黄衣の王と され、イエローサインというマークと関わりがある。旧支配者と呼ばれる者の一員であり、その 力は多岐に渡る。とりわけ、容易く精神を侵食する能力は絶大である。心を支配する力は 凄まじく、ハスターについて聞いたり、調べたり、とにかくその存在を知れば発狂して我が身を 捧げようという気になってしまう。 以下最後の一体 ★Prometheus(プロメテウス) サモナーよ、ここまで登ってこれを読んでいるとは実に誇らしい気分だ。 私はかつて人類に炎を与えた。炎を与えただけで、地上のあらゆる文明、そして神々すら 思いもよらぬ偉業が生まれたのだ。私は罰を受けたが、それでも苦痛の中でこう考えずには いられなかった。「ただの炎ではなく、人類に真の力を与えたらどうなるのだろう?」と。 だから私は真なる力を授けるレリックを作り、それを振るって鍛えるための塔を建てた。 さあ、来るがいい。二つ目の贈り物を得たヒトの可能性を見せてくれ!